2015年

12月

08日

『孤独のボドゲ』~1人で同人ボドゲ制作するコツ教えます~

※この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2015

の12月8日の記事として書きました。

 

みなさま、ほとんどの人は始めまして。

同人サークル「ぐるあゲームズ」にてカード&ボードゲームを制作している、

ぐるあハーレーと申します。

 

今までに制作し、公に発表したゲームは、カードゲーム「ネコの集会」、

そして嵯峨崎地域新聞ボードゲーム「新聞記者奔走記」の2つです。

 

↓カードゲーム「ネコの集会」の情報はこちら!

↓嵯峨崎ボードゲーム「新聞記者奔走記」の情報はこちら!


 

全然毛色の違う2つの作品ですが、一応自分が作ってます!

 

今回、こんな新参者の自分が無謀にも

ボードゲームデザインアドベントカレンダーに

初めて参加させていただきました!

普段ブログ書かないのに!!


というわけで精一杯頑張ります!よろしくお願いいたします!

 

さて突然ですが、先ほど『同人サークル「ぐるあゲームズ」』と

言ったものの、メンバーは自分ひとりしかいないんですよ。ぼっちです。

そう!今まで自分はほぼ1人でボードゲーム制作をしてきたのです!!

実はこれ、そこまで珍しいことでもないらしいようで、

結構同人ボードゲームを作っている方は1人の方が多いようです。


そこで今回は、今から1人でボドゲ制作しようと考えている人に、

1人でボドゲ制作するコツを、簡単にいくつか紹介したいと思います!


タイトルはずばり『孤独のボドゲ』!


テーマの都合上、この記事は

「初めて同人ボードゲーム&カードゲームを作る人」向けに書かれています。

ですが、既に同人ボドゲを制作している人にも参考になる所はあると思います。


・・・・・・多分。


その1:まずコンポーネント(内容物)を決めよう

ボードゲームを作るときにまず一番大切なのは

コンポーネント(内容物)を先に決定してしまうことです。

 

例えば、世界一面白いと思える自信作のボードゲームができたとしましょう!

しかし、ゲームボードはもちろんのこと、

カード枚数は300枚、専用サイコロ30個に、専用コマ30体!

・・・・・・なんて言ってたら印刷する為の資金はとんでもない額に、

販売価格は月までブッ飛ぶ値段になってしまいます。

 

今の時代なら『クラウドファンディングで資金集め』というような

方法もありますが、誰が作ったかも分からない新しい

同人ボードゲームに1万円、いや5千円でも出す人は少ないでしょう。

 

そんなわけでまずは

「自分が印刷できる価格で、どれくらいのゲームができるか」

を調べなくてはなりません。

 

同人でボードゲームを印刷してくれる所は現在では「萬印堂」様や

「ポプルス」様が有名ですが、調べれば他にも色々あるそうです。

コマなら「いたまや商会」様で調達することができます。

 

そう、同人ボドゲを制作する初心者ならまず

「カード〇〇枚、コマは〇個でボードゲーム作るぞ!」というように

初めにコンポーネントを決定してしまいましょう。

システム作りやテーマ決め、イラストはその次です。

 

特に初めてゲームを作るなら、自分は萬印堂様の

「小ロット応援オンデマンド印刷パック」をオススメします。

低価格だし、カード36枚でしっかりとした箱がついたゲームができます。

自分の作った「ネコの集会」も、このパックを使って印刷しています。

 

なのでまず初めは36枚で面白いゲームを作るチャレンジをしてみるといいでしょう。

カード枚数を36枚に制約することで、「少ない枚数でいかに面白く作るか」

を考える練習になります。実際「ネコの集会」は、この36枚の制約が

あったからこそ生まれたゲームです。

 

たった16枚のカードゲームで国内外の賞を受賞したカナイセイジ様の

『Love Letter』などは、まさにその好例でしょう!


その2:他作品を参考にする際は「尊敬」と「敬意」を

ボドゲマニアの方はご存知の通り、一口に「ボードゲーム」や

「カードゲーム」と言っても色んなジャンルがあります。

 

「デッキ構築型」「人狼系」「アブストラクト」「トリックテイキング」「ドラフト」「正体隠匿型」「ドイツゲーム」「直接攻撃」「拡大生産」「キャラクターゲーム」「バカゲー・ネタゲー」etc......

 

思いつくままに挙げてみましたが

これ以外にもまだまだ色んなジャンルがありますね。

で、ボードゲームを作る際に一番重要なシステム作りに必要なのは

なんといっても「ボードゲームをやった数」です!

 

やっぱり世の中ゼロから物を作るのは不可能に近く、

「創作の基本は模倣にある」と良く言われるように

同人ボードゲームを作る際には必然的に

他のボードゲームを参考にすることになります。

 

そして他のボードゲームを参考にする時、自分の好きなジャンル

のボードゲームばっかりやっていると、どうしても発想が偏ってしまいます。

どんな創作でも言えることですが、多様なジャンルに手を出すことが良い発想に近づきます。

 

また、ここで重要なのは「パクリ」ではなく「参考」という点です。

 

この辺をよく理解していない人は「どっちも同じようなもんじゃん!」と思うかもしれません。

確かにボードゲームのシステム、ルールデザインにおいて「パクリ」と「参考」の基準は難しく、

デリケートな問題ですが、自分が考える違いはこうです。

 

 

×:パクリ

既存のゲームと全く同じシステムを使っており、

テーマ(世界観やイラストなど)を変えただけのゲーム。

(元の作者が認めたリメイクや、別バージョンは除く)

 

〇:参考

複数個のゲームの要素を足し引きしていき、新しいシステムを作ったゲーム。

 

 

簡単に言えば「既存のボードゲームシステムを丸々使っちゃダメよ」ってことです。

 

では「参考」の例として、自分の作ったゲームを挙げましょう。

カードゲーム「ネコの集会」は「ポケモンバトルチェス」のプラスパワーカードのルール、『山からカードを1枚ずつ引いていき、最高点のカードが出たらリシャッフルする』ルールと、「アルカナ」の『特定の場所にギルドメンバーを派遣する』ルールを参考に、2つの要素を合わせることで完成したゲームです。

また、得点計算カードは「レッドノベンバーを救え」のウォッカによる酔い度合いをカードの回転によって表示するシステムを参考にしています。

 

嵯峨崎地域新聞ボードゲーム「新聞記者奔走記」は、クトゥルフボードゲームファンなら1発で分かると思いますが、「アーカムホラー」を参考にしています。

ですがそこに色んな要素を足したり引いたりすることで全く違うゲームになっています。

ぜひ機会があれば「アーカムホラー」と「新聞記者奔走記」を遊び比べてみてください。

似てるところもあるけれど、どちらも違う楽しみ方があることに気付くと思います。


ホントにどの創作でもパクリと参考の境界はビミョーな所で、

自分も毎回悩んでいますが、最後にこちらの記事から基準になる言葉を一言。

 

『「この作品の元ネタはコレです」と堂々と言えるのが“オマージュ”で、言えないものがパクリ』

 

また先ほどから自分が「参考」と言っている言葉は

世間一般では「オマージュ」と言い換えられもします。

「オマージュ」とは単語の意味だけなら、日本語で「尊敬・敬意」という意味。

他作品を「参考」にする際は、常にその作品への尊敬と敬意を持って制作すれば

その熱意は遊ぶ人にも届くんじゃないかなと自分は考えています。

 

その3:テーマに迷ったらとりあえず「ネコ」か「ゴリラ」!

ボードゲームにおけるテーマ(世界観)は、購入動機でもかなり高い割合を占めると言っても過言ではないですし、うまいことテーマとルールが合致すれば、ルールの理解度もグッと高まります。

 

で、いきなり実も蓋も無い話をしてしまいますが、

初心者が作るならまず「ネコ」か「ゴリラ」のゲームがオススメです。

 

この2つの動物は人気が高く、なぜか特定のファン層が既にいるので、

無名のサークルの作品でも買ってもらえる確立が高いです。

まずは手にとってもらわないと何も始まらないので

とりあえず「ネコ」か「ゴリラ」!!!


自分のゲームマーケット初参加作品は「ネコの集会」ですし、自分もネコゲームファンです。

ネコゲーを作ってもらえれば、まず自分が買いに行きます!!


そしてもうひとつ大事なのは「テーマは後からいくらでも付け替えができる」という点です。

例えば「ネコの集会」は、その名の通りネコが街で開かれる集会場に集まるゲームですが、

このタイトルを「ゴリラの集会」にして、ジャングルで開かれる集会にゴリラが参加するゲームにもできます。

なので必然的にボドゲ制作はゲームシステムから作るのが吉です。

後からそのシステムに合ったテーマを考えればいいのです。

「新聞記者奔走記」は思いっきりテーマ先行ですが、よほどの情熱と愛がないと

テーマ先行では完成できないです!

やはり初めはシステム先行の方が作りやすいですよ!

 

その4:ちょっとプロっぽく見えるカードデザイン

システムもテーマも決まったら、ゲームはもう完成!!

・・・・・・といかないのが同人ボードゲーム制作のツラいところ。


カードその他諸々のデザインを作らなくてはいけません。

これは最終的にはセンスなのですが、知っておくと便利なテクニックも多くあります。

という訳でここでは1人でボドゲ制作をしている人にぜひ知っておいて欲しい

『手軽にプロっぽく見えるカードデザインのコツ』をご紹介します!

 

※注:これから紹介するテクニックは素人の自分がほとんど独学で身につけたものなので

   プロから見れば間違いも多々あると思います!

   あくまで『手軽にプロ「っぽく」見えるテクニック集』です!

   プロの方、もし間違いを見つけたらこちらからご指摘いただけると幸いです!


さて、ここに自分が昔作ったカードをさらに酷くしたカードと、全く同じ素材を使って

デザインし直した2枚のカードがあります。どちらのデザインのほうがいいでしょうか?


どうでしょうか?

右の方が効果などが読みやすいと思いませんか?

書いてある情報は全く同じなのに、左の方は情報が入ってきません。


では自分がほとんど実践で学んだ

「初心者でもここだけやっておけばそれっぽいカードになる!」

という4つのポイントを解説しましょう。


①ちゃんとしたフォントを使う。

まさかカードのフォントにMSゴシックを使う人はいないと思いますが、

たまにメイリオでやっている人は見かけます。

左のカードはメイリオです。

(実際自分も初めの頃やってました・・・・・・)

 

カードの効果欄の読みやすさはゲームのプレイしやすさに影響するので、

初心者なら無難にゴシック体なら小塚ゴシック、明朝体なら小塚明朝を使いましょう。

本当はもっと良いプロ用フォントを使いたい所ですが、めっちゃ高いです。

小塚ゴシック&明朝ならアドビのイラストレーターに標準搭載されています。

 

ちなみにイラストレーターは入稿データを作る際に必須なので

本気でボドゲ制作するなら諦めて買いましょう!

 

また、装飾が強いフォントはカード名など大きな表記で使うのは効果的ですが、

効果欄など細かい文字に使うと読みにくくなるだけなので、出来る限り避けましょう。


②行間を広くしたり、枠との間に余白を作ってゆとりを。

タイポグラフィ(文字配置の技術)を知らないと全く気づかないのが余白の大切さ。

文字と文字の行間をちょっと広くするだけでだいぶ読みやすくなります。

カードを試しに印刷してみて、読んでみると違いが分かると思います。

 

また枠いっぱいに文字を入れてしまうと、とても読みづらくなります。

枠との間には空間を入れて余裕を持たせましょう。

 

あと読みやすくしようと文字を無闇に大きくしてしまったり、太字にしてしまうと

逆にゆとりが無くなって読みにくくなってしまいます。

タイポグラフィが上手い人ほど、文字は小さく、余白は広くして読みやすくしています。


③縁取りや明度で文字を読みやすくする。

色が濃い枠内に黒い文字を置いてしまうと読みにくくなります。

文字を置く枠内の色は薄くしましょう。白い文字の場合は逆に枠内を黒に近づけましょう。

イラストの上に文字を置く場合は、一部分だけ半透明の枠を作ったり、

縁取りをつけると読みやすいです。


④秘技:プロポーショナルメトリクス

美術の先生に教わった

「これを知っているかでデザイナーとしての年収が変わる」

と言われるほどの秘技です!!

 

イラストレーターで文字に「プロポーショナルメトリクス」

という設定をすると文字を自動的に詰めて読みやすくしてくれます。

設定の仕方はイラストレーターの使い方になるので各自調べてみてください。

 

この機能を使えるフォントは限られているのですが、上記の小塚シリーズは使えます。

プロはここからさらに文字間を調整するのですが、

分からなければ、とりあえずこれやっときましょう!


さて、ここまで偉そうにアドバイスしてきた、ぐるあハーレーですが、

実は自分は美術の先生から「タイポグラフィ0点」と言われるほど文字入れが苦手です。

ですが、文字配置のデザインを意識する前と、意識した後ではクオリティが全然違います!

 

タイポグラフィ、デザインの道は一日にして成らず。

 

この記事でデザインに興味をもったら、もっと研究してみると面白いですよ!

自分ももっと研究します!!

 最後にちょっと読みにくいかもしれませんがまとめを用意しました。

読みにくさを味わいながら読んでください(笑)自分もまだまだですね・・・・・・。


その5:「ゲームマーケット戦国時代」を生き抜くには

自分が参加者として行っていた頃のゲームマーケットは


「どんなゲームがあるか適当にひと回りしてこよ~っと♪」


と軽い気持ちで全スペースをひと回りできる規模でしたが、

最近のゲームマーケットは、もはやそんなレベルではありません!!


ここ数年でゲームマーケットは格段に大規模になりました。


実際、先日のゲームマーケット2015秋では遠くからスペースを

見ようとしても、人が多すぎてまるで見えず、ビックリしました。

どんなゲームを売ってるのかさえ見えない状況です。


同人ボードゲームを売るならゲームマーケットに参加するのは

ほぼ必然ですが、この状況に何も準備せずに突っ込めば

作ったゲームがいかに良くても、注目されない可能性大です!!


そこで大事なのは「事前の情報戦」です!

ゲームマーケット直前までに、いかに自分のゲームの情報を

拡散できるかで頒布できる数は大きく変わってくるでしょう!


方法としてはこの「ぐるあゲームズ」のサイトのように

ネット検索してすぐに出てくるページを作るのは良い手段ですし、

ゲームマーケットブログを更新する手もありますね。

(自分はゲムマブログの速さについていけず、全然できてませんが・・・・・・)


ちなみにこのサイトはjimdoというサービスを利用して作られてます。

サイト作りの基礎であるHTMLなどが良くわからなくても

直感的に作れるのでとても便利です。(露骨な宣伝)

1人で戦うなら、こういう便利なサービスはどんどん利用しましょう。

また自分はゲームごとに特設サイトを作って、リンクで分けています。


他にもコツとしては「作ったゲームのルールブック」を掲載するのは良い手段です。

ゲーム好きならどんなゲームなのか大体わかるので、購入に繋がります。

腕に自信があるならニコニコ動画等にルール紹介動画なんて作れたらパーフェクトです!

自分も作りたいッ!!!


あと自分が最も力を入れているのはツイッターです!

他のゲーム制作者の方をフォローして友達になれば、

お互いの作品情報をRTして大きく拡散できます!


自分のアカウントはこちらなので、ボドゲ制作者の方は

ぜひフォローしてください!!一緒に頑張りましょう!!

(露骨な宣伝その2)


その6:それでもやっぱり仲間は欲しい

なんか書いてるうちに「1人で作る」要素が薄くなってしまいましたね。

という訳で1人で作っている人向けの情報をひとつ。


初めに「自分は1人で作ってるぞー!」なんて偉そうに言いましたが、

自分が1人でやっているのはゲーム本体を作る所までで、

多くの人に助けられているのは事実です。


テストプレイをしてくれた友達、説明書を読んでくれた友達、

売り子を手伝ってくれる友達等々、助けてもらった回数は数知れず。


「ネコの集会」ではきまぐれアフター様の背景イラストをお借りしましたし、

特に嵯峨崎地域新聞ボードゲーム「新聞記者奔走記」では

原作の設定やキャラクターイラストを快く貸してくださったEnbos様、

そして数多くのイラストを貸して頂き、さらにパッケージイラストまで

描き下ろしてくださったモナイ様の力がなければ完成しませんでした。


感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。


話を戻しますが、ゲームの制作でも協力してくれる人がいるなら

一緒に協力したほうが絶対クオリティが高くなると思います。

自分はルールデザイン、グラフィックデザインの他に一部イラストも自分で作ってますが、

これらの作業は得意な人に分担できたほうが絶対良いです。


そもそもボドゲ自体、ほとんどの場合1人でできないですし・・・・・・。


なので、できることなら『孤独のボドゲ』なんて言わず、

協力できる人を見つけたほうが絶対いいです。

自分は「新聞記者奔走記」を作った時に、それに気付けました。


ボドゲ制作を手伝ってくれる人を見つけるのは難しいですが、

勇気を出して、声をかけてみる価値はあると思います!


おわりに

さて、新参者が長々と書いてしまい申し訳ありませんでした!

ここまで読んでくれた人がいるかどうかも分かりませんが、

とりあえず、ここまでたどり着いた方、お疲れ様でした。

こんな拙い文章に最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!

 

こんなに書いたのに、書き終えるとまだまだ書き残したことが

多く浮かぶのが不思議ですね。機会があればまたチャレンジしてみます!


まだまだまだまだ学ぶ事はたくさんありますが、

これからも精進して行くので応援よろしくお願いいたします。

 

さてホントに最後の最後ですが、売り切れていた

嵯峨崎地域新聞ボードゲーム「新聞記者奔走記」の再販が

つい先日、BOOTH通信販売で再開されました!

遠方でイベントに来られない方はこちらをぜひご利用ください!


イエローサブマリン様にはゲームに使える嵯峨崎ダイスと共に委託する予定なので、

そちらの方もよろしくお願いいたします!(露骨な宣伝その3)

↑BOOTH通販ページはこちら!!
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ではまた!